top of page

西小磯

であった出来事

「大磯町史 8 別編 民俗(編集発行大磯町2001年)」
「大磯町史民俗調査報告書4 大磯の民俗1 西小磯・東小磯地区(編集発行大磯町1997年他)
「大磯町文化財調査報告書第27集むかしがたり(1987年初版)」
「資料室だよりvol.1」No.5/1986.1(大磯町立図書館郷土資料室 佐川和裕)」より

azamap3_east.jpg
c29739_ad9257b37d914835a1f3704a36c7f145~mv2.jpg
西小磯 穴虫、沢尻

15 30 鷹取山湘南平を行き来する大蛇

大きなのがいて、まあこのへんから、今の湘南平だな。鷹取山くらいから湘南平の方へ行ったり来たりしてんだとよ、なんてそういう話を聞いたことありますけどね。(西久保、明治44年生まれ)「大磯町史民俗調査報告書4」

16 西小磯のキツネ 万田境

万田境の畑で、雲ひとつない夏の日、急にあたりが真暗になり、一寸先まで見えなくなってしまった。歩いてはいけないと思い「おめーたち、人を騙そったって、こっちゃ騙されたりしねーから」と悪たれてそのまま立っていた。すると、 ずーっと明るくなり元に戻った。それ以後、その畑は行かなくなり、結局売ってしまった。狐のしごとだと思うが、あんなに怖いことはなかった。 要旨(西小磯/西川サタ 明治33年生)「大磯町文化財調査報告書第27集むかしがたり/P49」

#kitsune #folkrore #キツネに化かされた #キツネ #口承文芸 #西小磯のキツネ万田境

17 西小磯のキツネ 高平(こうへい)「キツネにまわされた話」
もう死んじまったけんど、西小磯の○○ちゃんせえ人が「俺も狐にまわされて、高平(こうへい)の方まで歩いて」せっていたあよ、その人も。(話者:西小磯 鈴木ハナさん/明治35年生)

「大磯町文化財調査報告書第27集」P46

​​​​​​​

18 西小磯のキツネ 本郷山「狐っ火」

あっただよ、狐が。それで、うちの裏へなんか出ると、本郷山の土手に、火がポッポッと燃えてんときもあった。火事じゃなくて、狐っ火だせって、そりゃ。そんなこともあっただ。だか、狐もいただよ。(話者:西小磯 鈴木ハナさん/明治35年生)「大磯町文化財調査報告書第27集​」P52

19 西小磯のキツネ 白岩神社

自分の叔父が船に乗っていたのだが、あるとき、大漁のお祝いがあってたいへんご馳走になった。夜、おそくなって、家に帰ろうとしたが、白岩さん(白岩神社)の近くで狐にだまされてしまった。狐にだまされて、ひとっところをぐるぐると歩き回り、足袋が擦切れてしまった。結局、もらったおみやげを取られて、朝になって帰ってきた。 小さいときに聞いた話である。(西小磯 大正2年生、男性)「大磯町史民俗調査報告書5/P224」

#folkrore #キツネに化かされた #キツネ #口承文芸 #西小磯のキツネ白岩神社​

​​

19 西小磯の大蛇 白岩さんの蛇

白岩さんに遊びに行った人から聞いた話だが、白岩さんで一抱えもあるような大きな蛇が出た。みな、驚いてはだしで逃げて来た。 小磯の青年たちが、棒を持って行ったという。(要旨)(西小磯 大正10年生まれ 男A)「大磯町史民俗調査報告書4/P233」

#kitsune #folkrore #キツネに化かされた #キツネ #口承文芸 #西小磯のキツネ本郷

3 19 高麗白岩神社の大蛇 高麗山から蛇

高麗山から白岩さんへ大きな蛇が通った。通ったあとは茅がみな倒されていた。(要旨) (西小磯 大正8年生まれ女)「大磯町史民俗調査報告書4/P232」

20 西小磯のキツネ 椿森のキツネ

魚やの手伝いをしていた人が、魚を運ぶのに椿森の辺りを通るとわからなくなってしまう。魚を全部腐らせてしまったという。 (西小磯 大正10年生まれ 男A)「大磯町史民俗調査報告書4/P231」

#kitsune #folkrore #キツネに化かされた #キツネ #口承文芸 #西小磯のキツネ本郷

20 西小磯のキツネ 椿森のキツネ 「狐にあやまった話」

昔、甚兵衛さんの畑は椿森のそばにあった。甚兵衛さんは、さつまいもを一生懸命につくり秋の終りになると藷がめをつくって其の中に藷をかこって置くのが毎年の例であった。
其の年も藷がたくさん出来たので甚兵衛さんは一生懸命になって藷堀りをやり、丁寧に藷がめをつくり良い藷を選んでたくさんの藷をかこって置いた。
ところが椿森に棲む狐達が折角甚兵衛さんが汗水たらして貯蔵しておいた藷がめを掘って喰い荒してしまった。いつも少しぐらいは喰われていたので、少々ならがまん出来たのだが今年は来年の種藷もなくなってしまう程のひどい喰い荒しかただったので、怒った甚兵衛さんは、目の色を変えて「このかつて」「このかつて」と、ののしり乍ら鍬で狐の穴を全部たたきこわしてしまった。椿森のお稲荷さんはお狐さんを祀ってあるのだというので、いつもがまんして遠慮していたのがいっぺんにばくはつしてしまったのだ。
棲家 (すみか) をこわされてしまった狐は甚兵衛さんの屋敷の土手に棲家をつくり、おおぜい集ってギャアギャア、コン、コン騒ぎまわり、夜中には必らずしっぽで雨戸を、さらさらさら、さらさらさらと撫(な)でまわしたので女、子供はこわがるし、夜はねむれなくなるし、甚兵衛さんひとりがんばっていたが、とうとうがまん出来なくなり椿森のお稲荷様のところにゆき、これからは決してお狐様の穴はこわしませんから、どうかかんべんして下さいと一生懸命になってあやまり、狐の棲家をつくったところ其の晩から狐は悪さをしなくなったと言う事だ。椿森は椿の枝を伐(き)ったり、塚をこわしたりするとたたりがあると恐れられていたものだ。(話者:西小磯 鈴木亮三さん/明治23年1月生)

​※椿森附近は二つ塚、 ひさご塚などと呼ばれ直刀が出土した話などがある。恐らく椿森を含めた前方後円墳であったのであろう。

鈴木昇著「大磯の今昔1」P60

​​

20 椿森のキツネ「狐が憑く」

○○さんがやっぱおかしくなってな。うちのばあさんといい友だちよ。それで、メシを食べて食べていくら食べても食べてる。それで、ヤネヤのおばあさんとうちのおふくろさんと見にいって、どうもおかしいので裸にしたらよ、ネルの襦袢にね、毛が、狐の。そし たら、椿森のな、オキツネだって。そいで、しっぱたいてね、おばあさんを。「たった今、出てわかれろ、こん畜生、こん畜生」ってね。わたし、表で見てたもの。(西小磯/大正8年生女) 「大磯町史民俗調査報告書4/P232」

#folkrore #キツネに化かされた #キツネ #口承文芸 #西小磯のキツネ #椿森のキツネ

21 宇賀さんのキツネ

○○ちゃん(故人)もオキツネサンが憑くの。拝むとね「南無妙法蓮華経」ってすごい声でやりだすんだけど。「宇賀さんおオキツネサンがわたしに出るんだ」って言ってたよ。(西小磯 /大正6年生 女A)「大磯町史民俗調査報告書4/P232」

#folkrore #キツネに化かされた #キツネ #口承文芸 #西小磯のキツネ #宇賀さんのキツネ

​​​

21 宇賀さんのオキツネサン 宇賀さんのお使いさん 「蛇はお使い」

○○さんも宇賀さんのオキツネサンに憑かれたときがあったの。 そんなときに、大きな蛇が縁の下にいてね、出したっていったね。 それでAさんにみてもらったら、宇賀さんのお使いだって。そういうことあったですよ。二度目の病気したときにね。(西小磯 /大正6年生まれ 女A)「大磯町史民俗調査報告書4/P232」

#folkrore #キツネに化かされた #キツネ #口承文芸 #西小磯のキツネ #宇賀さんのキツネ

​​

21 宇賀さんのお使い人「お使いの蛇」

(略 子どもが具合が悪くなったときの話)その後ね、台所の庇に真っ白な蛇がいたの。お使い人だね、宇賀さんの。小さいよ。大きくない。宇賀さんのお使い人だね。(西小磯 /大正8年生 女) 「大磯町史民俗調査報告書4/P232」

#folkrore #キツネに化かされた #キツネ #口承文芸 #西小磯のキツネ #宇賀さんのキツネ

21 宇賀神社のヒトダマ 「青(アエ)え火

ヒトダマがよ、飛ぶのは見たよ。だって、この先でもってよ、夜おそーく、宇賀さんへお詣りに行って、帰ってきたらよ、そしたら、○○さんせえうちから飛び出してよ、ほいでフワフワフワフワっと、お墓の方行ったもの。それはあんよ、 昔っから。ヒトダマせえのは。それは、ただ青え火がでてよ、うちの軒下から、こうふうにでて、 フラフラフラフラお墓の方に飛んでっただけよ。 その人が病んだから、なんか生霊せえだか知らねえけんど、でてったせえだよ。死に神。死んだ人がでてったせえとこだべよ、魂が。(話者:西小磯 鈴木ハナさん/明治35年生)「大磯町文化財調査報告書第27集​」P63

#folkrore #キツネに化かされた #キツネ #口承文芸 #西小磯のヒトダマ

7 22 化粧坂 八坂神社のヒトダマ 「 二回見た人魂1943年、1945年

人魂はね、自分、二回経験をしています。第一回目はね、終戦後ね、火薬廠行ってたでしょう。 火薬廠行ってたときにね、残業の引き継ぎやってね、普通、七時の交替だけんども、(その日は残業のため、少し遅くなって八時ごろだった) 大磯にね、化粧坂か、井戸があんでしょう。あっこに。あすこの門くれえまで来たらね、ちょうど踏切のところね、山の方から海にずっとね、このくれえ大きかったね、人魂が。それで、もう一回はね、自分が地曳きやって、夜ね。 昔は、魚が、月の出だとか、暗くなんとか、時によって魚がくる。 それで、夜中の二時ころ起きて、それで、海岸へ行ったらね、ちょうど八坂神社から、海と、お天王さんの上の方から海の方へとね、 ちょうど同じようだったね。ちょっと尾を引くみてえにね。そしたら、そのあしたかね、その近所から、ばあさんが亡くなりました。 これだけは、この人魂だけは、自分、二回見ましたから。 ※話者が昭和十七、八年ころと戦後に見た。海岸で見た人魂は、八 坂神社の松の木から海へ向かって飛んだ。 「ああ、人魂だな」とすぐにわかったが、あまり怖くなかったという。(西小磯 大正3年生まれ男)「大磯町史民俗調査報告書4/P233」

#folkrore #キツネに化かされた #キツネ #口承文芸 #西小磯のキツネ

23 西小磯のキツネ 城山「化かされない方法」

だから、ねえことねえだって。よくね、わたしなんか年寄に聞かされたよ。だからね、よく小磯じゃ、馬場に魚を持ってってやんだよ。 城山通んだよ。そうすんとね、きっと、オッカさんがマッチを入れてさ、持たせてやるの。だから、今、このひらけた世の中にゃ考えられないようなことばっかりあんだよ。(話者:南本町 宮代フクさん/明治33年生)「大磯町文化財調査報告書第27集​」P51

#folkrore #キツネに化かされた #キツネ #口承文芸 #西小磯のキツネ城山

23 城山のキツネ おばけの正体 

シロヤマ(城山)っていうんだけどね、あすこに、あの、今、道があるんだかどうだか知らねえけんど、汽車道のね、両側が切った って、石垣があって、その上っかたに、三尺か四尺の道路があったんだよ。汽車道は通れないからね、今でいう側道だ。そこへ行くと、 雨がしっぽしっぽ降ったりなんかすんと、そこを通るとおばけが出るなんて。ひたいをこうやってなでると。で、おばけが出る、おばけが出る、雨が降るときはおばけが出る。それで、馬場のなんとかっていう人が「おばけなんて出るはずねえじゃねえか」って、刀を持ってって「おばけが出たらぶったぎっちまう」。そうして、雨降ってんときに通ったら、なるほど、あれだ、ひたいをなでる。刀抜いて、ばっと切ったら、そうしたら、竹の、篠竹の笹が。「なんだ、 おばけじゃねえや」って。(話者:新宿、明治38年生、男性)「大磯町史民俗調査報告書2/P180」

#kitsune #folkrore #キツネに化かされた #キツネ #口承文芸 #西小磯のおばけ城山

​​

24 城山の切り通し 「火柱が立つ」

あれが、おかしいんだね。火柱だ。あれがね、我々が子供の当時、その火柱、よく、今、公園になっている吉田邸から切り通しになっているところ、あの前に火柱が立つという。わたしは見たことはないけんと、昔の人がよくそれを言ったけんどね。なぜそれが、そういうふうに見えるのか。自分が実際に見ればわかるけんどね、親たちの話だから。ずいぶん火柱、火柱って、なにがそういうふうに。そうとう高く上がったらしいよ。だからだれの目にもうつったらしいんだけど。そうすると、だれかが死ぬっていうことだったんだ。じゃ、その人の魂が、何かにするためにそんあものを見つけちゃうのかって、おもしろいことを親父やおふくろが言ってたけんど。(話者:国府本郷/明治41年生、男性)「大磯町史民俗調査報告書3/P235」

お使いさん 「お腹をすかせたお使い」

自分の子どもが熱を出したが、どうしても下がらない。そこでみてもらったら、「お宅のそばに信心をする人がいるでしょう。そのお使い人が、お腹をすかせてあなたの家に来ている。一週間、魚をお勝手口にあげなさい。そして、元の古巣へ帰ってくださいといいなさい」といわれた。その通りにしたら、子どもの熱が下がった。 (要旨) (西小磯 /大正8年生 女)「大磯町史民俗調査報告書4」P232

#folkrore #キツネに化かされた #キツネ #口承文芸 #西小磯のキツネ #宇賀さんのキツネ

​​​​​​

 人に憑く狐

下町にはたくさんの稲荷が祀ってあるが、漁師町なので食物(魚)がたくさんあるから人にとっつかないという。ないところは魚を取られる。(要旨・西小磯 /大正6年生女A)「大磯町史民俗調査報告書4」P232

#folkrore #キツネに化かされた #キツネ #口承文芸 #西小磯のキツネ #宇賀さんのキツネ

​​​​​​​​

西小磯のヘビ 蛇の祟り

○○さんのうちにヌシがいた。とぐろ巻いて床の間にいたってよ。 蛇がね。一回ね、蛇の子どもたちを線路に出して叩いて殺したのかな。そしたら○ちゃんが大病みしちゃった。だから、わたし、蛇を殺すもんじゃないよってね。たいへんだった。○ちゃん物も食べずにね。 (西小磯 大正6年生まれ 女A)「大磯町史民俗調査報告書4」P233

#kitsune #folkrore #キツネに化かされた #キツネ #口承文芸 #西小磯のキツネ本郷

西小磯のキツネ 「おお深(ふけ)え」

よくね、小磯の母が言ったけど、子どものときだってよ。畑へなんかも行って、そうすんとね、どっかのおじいさんだか、おばあさんだかがさ、水もなんにもないとこ、お尻をはしょって「おお深え、おお深え」せって 言ってね、こうしていんだって。ほいで、畑の人たちでさ、「あ、おばあさんやられてんな、やられてんだぞ」って、みんなで言って。そうすんとね、むこうの方にキツネがいんだって。すんとね、キツネがね、しっぽを立ててね、こっちへしっぽをあれすんとね、その人がこっちへ来んだって。で、こうやんとね、こっちへ行くんだって。そいで、もう、「あのやろう、やってんな」と思ってね、麦だかなんだか刈ってる人が、鎌をぶつけたんだって。そうしたら急いで振り返ってきてね、その鎌ね、食わえて逃げたって。それで、逃げてったから、 やっとね、ゆめが覚めたって。ゆめをみるよんなっちゃったんだね。化かされるっていうのは。(南本町 宮代フクさん/明治33年生)「大磯町文化財調査報告書第27集​」P48

​​

西小磯のキツネ 国府祭の帰り「おお深い1」

コウノマチ(国府祭)に行ってね、昔だから六月の二十一日かね、 そんで一杯飲んで、帰りしばらく行ってしらねえけんど、川ん中を歩いて「おお深い、おお深い」って歩いたって、そういうこと言ってましたね。(西小磯/大正3年生まれ男)「大磯町史民俗調査報告書4/P230」

​​​

西小磯のキツネ 「おお深い2」

狐にばかされて川を歩いたって話も聞いたことがあんけんど。「おお深え、おお深え」ってな。(西小磯 明治37年生まれ女)「大磯町史民俗調査報告書4/P230」

#folkrore #キツネに化かされた #キツネ #口承文芸 #西小磯のキツネ

​​

​西小磯のキツネ 「あー深い」
この漁場じゃよ、まあ、そいったことはないけどね。よく、農家の方行ってね、魚を持ってったから、狐がついてきたとかね、アブラゲを持って来たから狐がついてきたとかってね、そいで、狐に化かされて、「あー深い、あー深い」って、田んぼんなか歩ってたとか、道がわかんなくなっちゃってなんかってね、そーふなことも、まあ、聞いたこともあんけんどね。(南下町 加藤Kさん/大正3年生)「大磯町文化財調査報告書第27集​」P48

​​​​​​​​

土沢(平塚) 幽霊の正体

うちのばあさんがよく言ってた。 土沢の方で、あるうちで、かわいがってた娘が亡くなっちまったと。で、かわいそうだ、かわいそうだって思って供養してんと、ある晩のこと、「着物が欲しい、着物が欲しい」って。外へよ、着ていく着物が欲しいっていうから、 そいで、着物をあれだ、よく持ってったって。娘の着物をね、で、 それが、ある若い人たちがよ「死んだものが来るはずがねえ」って隠れて見てたら、白装束の娘が来て「着物が欲しい、着物が欲しい」 って。ほいでまあ、そのおばけがけえって帰って)いくのを、まあ、つけたっていうんだね、若いもんが。つけてったら、石塔の陰へふっとへえったって。そいでよ、若いもんが一人じゃなかったらしいんだけどよ、二、三人だったらしいんだけどよ、石塔の陰へうずくまってんのを捕まえたら、それは、飴屋で、人間だったってよ。 昔は、葬式があると、みんなその人の着物をお寺へ上げたもんだよ。 (話者:新宿、明治38年生、男性)「大磯町史民俗調査報告書2/P181」

​​

西小磯のムジナ 「化かされない方法」

化かさねえけんど。 ムジナはよ、うちのそこの掘っこがあんでしょ。そこがガサボコだったからね、ときどきチョロチョロチョロチョロっと通り歩いた。そんなのは見たね。 「あれはムジナだ」 へって。 ムジナはね、イタチのちっとおっきいのだね。 それで、よく川へなんかにも行くと、やっぱしムジナなんかいたあよ。そしたらよ、みんながムジナにでっかしたら、いせえでマミヤヘツバキをつけんだなんかへってさ、化かされねよにね。 そしんと、いいせえこと言ったね。化かされね。 だ、この裏の方にもムジナは居たあよ。(話者:西小磯 鈴木ハナさん/明治35年生)「大磯町文化財調査報告書第27集​」P55

#folkrore #キツネに化かされた #キツネ #口承文芸 #西小磯のムジナ

​​

西小磯のムジナ 「ムジナが憑く」

ムジナっていうものもやっぱばかすんだよね。わたしは小さいときにそれはね、みんな本郷の人が出てムジナ穴掘ったの。うちの地所の竹のところに穴を掘り、最後は埋めてしまった。(中略)ムジナにばかされると、表に出て歩いてしまうらしい。狐と同じようなもんじゃないか。おばあさんは、夜中に出て歩いてしようがなかった。(要旨)(西小磯 大正8年生まれ 女)「大磯町史民俗調査報告書4/P234」

#folkrore #キツネに化かされた #キツネ #口承文芸 #西小磯のムジナ

 

西小磯のヒトダマ 「寺から人魂」

○○さん、あのとこに川があんでしょう。あの近所にお寺がありましたからね、そこからふわりふわりと火の玉がね。(西小磯 明治37年生まれ女)「大磯町史民俗調査報告書4/P234」

#folkrore #キツネに化かされた #キツネ #口承文芸 #西小磯のヒトダマ

​​​​

塚越 「塚のある所」

塚越ってね、畳一畳くれえの塚があるけど。掘ったひともいるけど、何も出なかったともいう。塚だから、あまりいいものではない。 塚は、いじくったりするもんではない。残しておくほうがいいらしい。(要旨) (西小磯 大正3年生まれ男)「大磯町史民俗調査報告書4/P234」

#folkrore #キツネに化かされた #キツネ #口承文芸 #西小磯塚越

​​​​​

小字地名マップ
bottom of page