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国府新宿(南部)六所神社

であった出来事

「大磯町史 8 別編 民俗(編集発行大磯町2001年)」
「大磯町史民俗調査報告書1〜5(編集発行大磯町1997年他)」「大磯町文化財調査報告書第27集むかしがたり(昭和62年初版)」
「大磯町史民俗調査報告書3 国府の民俗3 国府本郷・国府新宿・石神台地区」
「資料室だよりvol.1」No.5(大磯町立図書館郷土資料室1986年1月 佐川和裕箸)」より

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六所神社 社宮神と岸の境の道から

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祇園塚の「おしゃもじさん」

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54 稲荷森のキツネ 「ご馳走を取られる」

うちのお父さんの親だけど、法事にいって、いろんなご馳走持って、そしたら、うちに入らねえで。そしたらね、「おにぎりを作れ、 作れ」って。うちへ入らないで、そっちへほっぽって。そしたらね、 ご馳走が石ばっかりだった。(話者:国府新宿/大正8年生、女性)「大磯町史民俗調査報告書3/P232」

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55 馬乗面・西長谷川のキツネ 「土手に提灯」

昭和七、八年のころ、青年の会合の帰りだ。馬乗面と西長谷川の間あたりの土手の上に提灯が並んだ。 提灯が帆掛け舟に。(話者:国府新宿/大正2年生、男性)「大磯町史民俗調査報告書3/P233」

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56 国府新宿のキツネ 狐塚 狐塚は六所神社の東側

六所神社の東側に塚があった。塚の周りに森があって、狐がいたので狐塚と呼んだ。要旨(話者:国府新宿 杉山一雄さん/大正2年生)「大磯町文化財調査報告書第27集」P16

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こんもりとした丘になっていて松の木がたくさんあった。ここに狐がいたので狐塚といった。「やあ、狐塚で魚とられちゃったよ」という話を聞いた。要旨(話者:国府新宿 今井俊三さん/明治38年生)「大磯町文化財調査報告書第27集」P16

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夜遅くなんと、あかりがいくつも見えた。そばへ行くとなくなっちまう。だから、ほんとに狐がいんだ。夕方、子どもをそっちの方へやんじゃねえ。化かされちまうから。この辺、麦を作んと、一ヶ月くらい早くあかるんじまう。小ちゃくって、伸びないで、はやーくあかるんじまう。(話者:国府新宿 杉山カツさん/明治40年生)「大磯町文化財調査報告書第27集」P17

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56 41 40 39 国府新宿〜虫窪の狐火 狐塚六所神社の東側ボッタリ菅原天神「虫窪」バス停付近

(虫窪の話者が)国府新宿からの帰りだが、狐塚(54.六所神社の裏にある)のそばへくると、月京の方にぱっと火がついた。長谷川の近くまでくると消えて、ボッタリの山の上の方(41)に火がつく。大曲のあたりにくると消えて、天神さんのてっぺん(40)に火がついた。自宅の長屋門の所へくると、油屋(39.屋号で二宮寿嗣さん宅)のあたりから、ごやごや提灯がいっぱいでてくる。この頃油屋では、部落の役員をやっていたので、今夜何か寄合でもあったのかと思って、長屋門の前で立ち止ってよく見ると、そうではなく藪の上に見え、そこから下へ数多くおりてくる。下までくるとひょっと消えて、戻らないでぱっと上の方につく。これを何度も繰り返している。

一番近い所までは、長屋門から100m位の距離なので、その明るさで土手の草が見える。更に透して見ると、提灯に筆太で字が書いてあるのが分かるが読めない。着物がさがって裾まで分るが、胸から上の方は分らない。
このようなことにでっかしたのは、始めてではないので、二宮さんはキツネに向って大声で、「バカヤロウ、ごまかされないぞ、おらあねちまうぞ、ぬしらあかってにしろ。」といい、門の中へ入って吹きだしてしまった。そして5・6間ばかり歩いたが、気になるので、戻って入口からそおっと首をだして見ると,まあだいったりきたりしている。「ぬしらあなんだよ。いいかげんにしろや。」といって再び門の中へ入ったという。
この明りは真赤で、提灯の明りより赤く、丁度、祝言のときの行列のように見えるので、キツネの祝言というのだといわれている。キツネは燐(魚や犬の骨など)を口にくわえるので、明るく提灯のように見えるのだともいう。
(話者:虫窪 二宮秀韶さん/明治27年生まれ)「大磯町文化財調査報告書第19/P80」

56 国府新宿のキツネ 狐塚「狐のチョウチン」

青年の寄合いが終わって、夜九時か十時ごろ、 家へ帰ってくる途中、線路を渡らない前から狐塚の方を見ると、人間のように見える男女がチョウチン持って十から二十並んで東の方へ向いて動いている。ひとっきり立ち止まって見ていると消えてしまう。ポカッポカッと帆かけ船のようにも見え、とてもきれいで夜の祭に行ったみたいだった。
家へ来て、便所へ行き外を見ると、今度は近くの墓のところにチョウチンが見える。親父に言うと 「おー、見えら。早くかかとを踏め」と言うので、 かかとを踏むとチョウチンが消えてしまった。狐は足元にいるのだという。 要旨(話者:国府新宿 杉山一雄さん/大正2年生)「大磯町文化財調査報告書第27集」P52

58 国府新宿のイタチ 「イタチにイズバラの実をぶつけられた話」

小助さん前の粕屋街道から線路を渡ってすぐ東側一帯は、イズバラがいっぱいあって、秋になると実が真っ黄色に色づく。寄合の帰り、夜九時か九時半ごろ、タブの木のある道を通ってくると、イタチにイズバラの実をよくぶつけられた。「こんちきしょう」と思い立ち止まって、笹藪のところを手で広げて見るが姿はなかった。コサコサ雨(小雨)のときに多くやられた。(話者:国府新宿 杉山一雄さん/大正2年生)「大磯町文化財調査報告書第27集」P55 

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58 国府新宿のムジナ 「化けておどかした話」1912頃

ムジナも化けんだねえ。 はだかっただとよ、汽車道にこうやって。そうしたらね、ほら、ただの車なんかと思ったらしいだね、おどかすつもりよ。 それがな、汽車だんべ、やられちゃただ自分が。 みんなが言ってた。「まあ、でっけえムジナでよ」 なんて言ってさ。わたしの家は線路のそばだ。 子どもの頃、そこにいる頃は、そんなムジナの話を おばあさんがしてくれた。でかかったとよ、その ムジナは。ブタぐれえあったらしいよ、大きくって。そんなにおっかなかっただなあ。新宿の原の方も。もっとも家も点々だったもの、藪ばっかし でなあ。線路のあそこいらみんな藪だよ。どこだって、ここだってみんな藪を拓いただよ。 そうだなあ、尋常六年生ぐれえのときかなあ。

それから、そのムジナはなあ、死なない前は化けんのなあ。ムジナがなあ、ほうぼうのおばあさんを起こすのよ。「こんばんは」なんかいっておどかして起こすのよ。そうすんと、誰か来たのかと思って開けんとムジナよ。その次の、またおうちへ行くんだよ。あそこんとけえらにあるうちみんな。東海道までの間。誰か来たのかなあと思って戸を開けるとムジナ。おどかし。ムジナもさすがにそうやっておどかしたんだってよ。また隣の家へ急いで逃げて行くのよ。 そして今度、隣の家のおばさんをまた起こすだとよ。 ムジナもそんな心があったのかなあ。 夜そうやってきて歩くだと。線路ができて藪がなくなったから、ほうぼう歩いてたのねえ。エサを探して歩いてたのよ。その頃はなあ、汽車だってさポックリポックリでなあ。 そんな汽車だった。今はあんな電気で走るけど、 ボーッと石炭燃やしてさあ。(話者:国府新宿​ 杉山キミ/明治33年)「大磯町文化財調査報告書第27集」P56

59 岸 「オシャモッツァンのナギの木」

岸のオシャモッツァンのところにあるナギの木はご神木だという。昔、この木を伐った人が動けなくなって死んでしまったので、それ以後は枝一 本さわっていない。要旨(国府新宿)「大磯町文化財調査報告書第27集」P64

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59 「オシャモジサンのシバの木」

オシャモジサンのところにあるシバの木(タブノキ)は、昔キコリに枝おろしを頼んだが、伐り終わったとたんパタッと死んじまった。その後は小枝一本でも手を触れない。ご神木だという。昭和二年に九十八才で亡くなったおばあちゃんから聞いた。要旨(国府新宿)「大磯町文化財調査報告書第27集」P64

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60 蓮花院六所神社のキツネ「狐のチョウチン」

連花院のお寺の山から土手を歩くのが見え、六所神社の森で消えた。チョウチンがたんと見え、とてもきれいだった。要旨(話者:国府新宿 杉山一雄/大正2年生)「大磯町文化財調査報告書第27集」P52#kitsune #folkrore #キツネにばかされた #キツネ #口承文芸

61 新船道のキツネ「魚をとられた話」

夜網に行き、とれた魚を持って、いつもの新船道を帰ってくる途中、川ぷちでそっくりとられてしまった。空ビク下げて、家とは反対の方を歩いていたのを近所の人が見つけて家へ連れてきた。大正五、六年ごろ、狐に化かされ「新船道にいただよう」という話を聞いた。大正5.6年ごろ、狐に化かされ「新船道にいただよう」という話を聞いた。(話者:国府新宿/明治38年生、今井俊蔵)「大磯町文化財調査報告書第27集」P51

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61 小松原のキツネ「狐の提灯」

お六所さんの鳥居のところから海岸に行くと小松原。遊んでいると、提灯が出てきた。パタンパタンと音がした。薄暗くなってきた。 そのうちに、提灯が並んで、帆掛け舟のようなのが出てきた。「あっ、狐、狐だ」って。(話者:国府新宿/大正2年生、男性)「大磯町史民俗調査報告書3/P233」

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62 51 国府新宿のキツネ 中丸・松原「浜をぞろぞろ歩いていた話」

日が暮れて裏の川向こうの松林の方を見んと 「あら、狐っ火だ」と。ぞろぞろ歩いている狐っ火がよく見えた。中丸の方から歩いてきたり、中丸の方へ歩いて行ったり、浜だけを歩いていた。 狐っ火は真っ赤で、まわりがボーッとしている。 松原は松林だけでなく、カヤなども生えていたので狐がたんといた。夜網から帰ってくんとき、首から下げたビクに手を入れてねえと、さらわれちまうので気をつけていた。要旨(話者:国府新宿)「大磯町文化財調査報告書第27集」P53

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国府新宿のキツネ「村が火事」

狐にばかされただね。それは、村中ばかされちゃったって。火事あったって。ばかに燃えてんじゃねえか。火事に見えたんだって。行ってみろ、っていったら、なかなか近づけねえだって。そうしたら、近づけなかったら、そうしたら、田んぼがあって、狐がうろうろしていただって。ええ、みんなやられちゃっただって。いくら行っても近づけねえから、大きな火事だから、お寺さんじゃねえかって。お寺と思ったらしいって、そしたら、田んぼに狐が映ってたって。この人(この話をしてくれた人)もいなくなっちゃった(亡くなった)けんど。(国府新宿/明治38年生まれ、男性)「大磯町史民俗調査報告書3/P231」
*話者の隣の家に婿にきた人が体験した話。婿から直接聞いた話だという。

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国府新宿のキツネ 「女に化ける」1937年頃

うちの近所(の茶畑の中/編者注)に大きな木があって、そこにお稲荷さんを祀ってある。そこのところから、きれいな女の人が二人、こっちへ歩いてくる。シポシポ雨が降ってきたから、傘をさしていた。いくら見ても、女の人の腰から下が見えない。いきなり傘を逆さにして、マッチをすったら、ぱっと消えてしまった。髪の毛が長いきれいな人だった(要旨・国府新宿/大正2年生、男)。「大磯町史民俗調査報告書3/P231」

国府新宿のキツネ 「下駄を履く狐」

道が曲がっているところに狐がいた。夜行くと、狐が下駄やハナムスビを履いて歩いていたという。(要旨・国府新宿/大正2年生、男性)「大磯町史民俗調査報告書3/P231」

国府新宿のキツネ ソバ畑「ソバ畑でぐるぐる」

油揚げ持ってくとね、ソバの畑をね、「おおふけ(深い)、おおふけ(深い)」って歩いていったって。ぐるぐる回ってったって。狐にばかされて。(話者:国府新宿/大正6年生、女性)「大磯町史民俗調査報告書3/P232」

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国府新宿のキツネ 「豆腐をかじるキツネ」

母が新宿の生まれだけれど、狐の嫁のことをよく話していましたね。わたしの母が言ったのは、記憶によると、どっか使いに行くんだってよ、使いに行くと必ず狐がついて豆腐をね、かじるんだって。うちへ行ってあけてみると。(話者:西小磯/大正10年生まれ 男B)「大磯町史民俗調査報告書4/P231」

国府新宿のキツネ 「タメに入る」

コヤシのタメに入って「おおふけ、おおふけ」って話があったね。(話者:国府新宿/明治40年生、女性)「大磯町史民俗調査報告書3/P232」

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国府新宿のキツネ 「ボタモチは馬の糞」

狐にばかされて、「おおふけ、おおふけ」と歩き回った。ボタモチに馬の糞をくれられた。(話者:新宿/大正2年生、男性)「大磯町史民俗調査報告書3/P232」

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国府新宿のキツネ 「腰をまくって歩く」

狐にばかされて、草むらを腰をまくって「おおふけ、おおふけ」と歩きまくった。(話者:国府新宿、昭和2年生、男性)「大磯町史民俗調査報告書3/P232」

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国府新宿のキツネ使い 「狐使い」

ある家では、昔、狐を使っていたという。(要旨・国府新宿/大正八年生、女性)​「大磯町史民俗調査報告書3/P234」

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国府新宿のキツネ「狐憑き」

〇〇さんが狐憑きで、ものをやたらに買ってしまう。そこの家には、昔の仕込み杖があったが、それを油揚げと酒で何かをして、六所神社に納めた。そうしたら治った。(要旨・国府新宿/大正二年生、男性)「大磯町史民俗調査報告書3/P234」

国府新宿のキツネ「狐の仕返し」

狐は利口でね、あれは明治だね。この浜にも、たくさん狐がいて、かまったって。かまったうちへね、あたらしにきてね。わたしのうちなんかも、鶏なんかとられたっておばあちゃんから聞きましたよ。
まだ、うちのお父さんの時分にはね、浜なんか行くといたらしいですよ。みんな、子供なんかは、いたずらっこでね、狐の子供をほれほれ、なんてみんなでかまうだって。そうすんと、親狐がね、どこのが(どこの家の子供が子狐にいたずらをしたかわかっていて)かまったってわかっていてね、子供が帰ってくる前にね、ちょっとあたらしにね、くるんだって。うちじゃ鶏取られたよって。(話者:国府新宿/大正八年生、女性)「大磯町史民俗調査報告書3/P234」

墓のあるところ 「寄りたくなる」

〇〇の家の墓があるところには、大きな木があった。震災で倒れてしまった。そこが薮になってしまい、狐がよく出た。なぜか、回り道してでもその道を通りたくなると。(話者:国府新宿/大正2年生、男性)​「大磯町史民俗調査報告書3/P234」​​

葛川のカッパ 「セギ下のカッパ」

釣りにいって、セギ下で、 かっぱにやられて大けがしたって。 中里で、○○ちゃんの兄ちゃん、葛川の上流で引っ張り込まれて大けがをした。(話者:新宿、明治三十八年生、男性)「大磯町史民俗調査報告書3/P235」

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上町 「オイナリサンのシバの木」

上町の原さん宅のオイナリサンのところに、ご神木のシバの木がある。オイナリサンは刃物がきらいなので枝おろしはやらない。もし伐ったりすると、誰か病気になったり怪我をするので、塩をまいて清め、あやまるとなおるという。オイナリサンのあるところは、大抵木が何本かあるが、狐はこの木のまわりで遊んでいるので、木を伐ると遊ぶところがないから怒るんだと言われている。 要旨(国府新宿)「大磯町文化財調査報告書第27集」P64

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梅沢川のカッパ 「馬をひっかいたカッパ」

梅沢川にカッパがいた。あっこに馬、つないでたら、馬がひでえ目にあったらしい。尻をひっかかれた。(新宿、明治38年生、 男性)「大磯町史民俗調査報告書3/P235」

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