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「クリスマスのものがたり」クリスマスイラスト原画展

  • 執筆者の写真: オダギリミホ
    オダギリミホ
  • 2021年11月13日
  • 読了時間: 3分

クリスマスの出来事を、大人たちは覚えている? 12月24日の夜中、知らない外国人のおじいさんが、みんなが寝静まった頃に家の中に忍び込み、子供部屋にまで入って来てプレゼントを置いていくあの事件を。朝起きると枕元には忽然と、確かにプレゼントが置いてあるのだ。ママもパパも、侵入されたことに驚きもせず警察に通報もしない。いつもはあんなに戸締りのことを気にするのに、まるで夢の中の出来事みたい。

それだけじゃない。プレゼントは同時にたくさんの子どもたちがもらっている。夜中じゅう超スピードで配り回ったのだ。夢か魔法のようだけど、もらったプレゼントは翌朝に葉っぱに変わったりしないのは、それが本当にあった証拠だ。

‥‥そんな摩訶不思議なことが起こる世界に、子どもたちは生きている。説明つかないことを説明つかないままに、みんなが許容する包容力のある優しい世界。

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里山歩きマップを作っている時に縄文時代から昭和まで、町の歴史を調べた。「大磯の民俗(大磯町発行)」には口承文芸のコーナーがあり、大正〜明治時代生まれの長老から聞き取った話が、本人の口調そのままに記されている。そこにたくさん登場するのがキツネに騙された話だ。

内容は、キツネに憑かれた、同じところぐるぐる回された、川の中に入らされた、などなど、いかにもという話だが、それを読んでいると、だんだん不思議な気持ちになってくる。みんな、キツネに騙されることを、比喩や不思議な話、として語ってるのではなく、実際にあったこととして語っているのだ。


そのことをどう捉えたらいいのかモヤモヤしてる時にいい本を見つけた。「日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか (講談社現代新書) 」。

これを読むと、私たちが住んでいるこの日本はたった60年前まではみんながキツネに騙される社会だったが、自然の変化や人間側(教育・自然観・死生観)の変化で騙される能力がなくなってしまった、という。

そう、私たちの両親、祖父母は少し前まで、ちゃんと、説明つかないことを説明つかないままに許容する世界に生きていたんだ。この町でも。

しかし、たった60年前のことではあるけれど、この時代に、キツネに騙されていた頃の、その、包容力を持った社会を想像することは難しい。身近に、その話をしてくれる人がいないから。


でも実は、この現代社会を生きる私たちのごく身近に、説明つかないことを説明つかないままに許容する能力を持った人がいる。‥‥そう、それはまさに、サンタクロースがいる世界に生きている子どもたち。


キツネがいた山道を歩いて、子どもたちに教えてもらいながら、サンタクロースの足跡を探しにいこう。プレゼントが配られている大磯や茅ヶ崎にも立ち寄っているはずだから。


さあ、大人たちよ。子どもたちと一緒に行こう。サンタクロースが存在する世界に。サンタクロースを不思議がって、真面目に想像しよう! それはきっと豊かな世界だから。 オダギリミホ「クリスマスのものがたり」 at creative space Hayashi クリエイティブスペースハヤシ 2021.11.23tue-12.12sun 11:00~17:00(オープンが不定期です) open:11/23,24,25,26,27,28, 12/1,2,3,8,9,10,11,12, 〒253-0055 茅ヶ崎市中海岸1-4-48

茅ヶ崎駅南口より徒歩8分

URL cs-hayashi.com



 
 
 

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